北アルプス「南岳・槍ヶ岳・双六岳」
space
space
space
4373_24373_5
space
space
左=槍ヶ岳〜南岳の縦走路  右=槍ヶ岳の夜明け
space
space
space
4373_1
space
space
双六岳
space
space
space
4373_64373_3
space
space
左=樅沢岳より槍ヶ岳を望む  右=南岳より槍平へ下山
space
space
space
4373_4
space
space
南岳よりキレット・穂高連峰
space
space
space
 北アルプスの中核をなす槍ヶ岳から穂高連峰への山域を、好天を期待して稜線漫歩を味わい、雄大な展望を楽しむべく7人が挑戦をした。3000mを超す山並みは、富山県側の立山連峰の雄山・大汝山があるが、あとは槍・穂高縦走路に集中している。我々は比較的緩やかな稜線、槍ヶ岳から南岳へのルートを選んだ。

 8/21(金)晴れのち雨
 京都駅より、1日一便の「ヒダビュー」で飛騨高山へ。濃飛バスで新穂高温泉に着いた。本日は左俣谷沿いのワサビ平小屋泊まりである。ここで当会の別働隊6人と一緒になる。彼らは、鏡平・双六岳方面の散策が目的のようだ。あいにくの雨のなかワサビ平小屋に急ぐ。
 新穂高温泉(14:50)〜風穴(15:25)〜ワサビ平小屋(16:00)

 8/22(土) 曇りのち晴れ
 夜中じゅう雨音高く降り続いた雨が出発間際に止み、予報も回復するとあって気を良くして小池新道を鏡平に向かう。雲も切れて青空が覗きだした。秩父沢を渡ってシシウド原から木道を伝い、鏡平池まで順調なペースで着いた。
 肉眼では、槍ヶ岳や大喰岳がすっきり見えるが、少し風があるのか池に映る山容は揺らいでいる。鏡平山荘の新館も開業していた。樅沢岳を見ながら、弓折乗越までの急登を喘ぎながら登り着く。ベンチが設えてあり、展望が大きく開ける。
 槍から穂高、さらに焼岳・乗鞍への展望が良い。笠ヶ岳へのルートを後にして、快適な稜線を花を愛で、黒部五郎岳や双六岳、槍ヶ岳や表銀座を望み、前方に独特な山容の鷲羽岳と黒っぽい水晶岳が大きく見え出すと双六小屋に着く。ここは風の通り道だ。時間も早く着いたので、サブザックで双六岳をピストンする。三俣蓮華岳への巻き道をやり過ごし、ガレ道を急登して緩やかな広い稜線に出ると、ずーっと先に山頂が見え、意外と距離がある。
 山頂からの360度の展望は圧巻だ! 雲がなくガスも上がってこず、遠望も欲しいままだ!
 北は鷲羽岳・水晶岳・赤牛岳、遠くに後立山連峰。西は立山連峰の薬師岳、裏銀座の黒部五郎岳のカール。南は三角錐の笠ヶ岳。東側は表銀座、槍から穂高、焼岳に乗鞍岳と続く。遠く富士山、南アルプス、八ヶ岳、中央アルプス。そして、白山らしいのが浮かぶ至福のひとときである。夕飯に間に合うように小屋へ戻った。テンプラが定番のメニュー。宿泊者が多いようだ。
 ワサビ平小屋(6:00)〜秩父沢(7:15)〜鏡池(9:30)〜弓折分岐(11:20〜12:00)〜双六小屋(13:15)〜
 双六岳(14:50〜15:30)〜双六小屋(14:10)

 8/23(日) 晴れ
 満天の星空のもと、ヘッドランプに防寒をして出発。樅沢岳までザラ場道からハイマツ帯だ。飛騨側から吹き上げる強風で足を取られないように、西鎌尾根の高度を上げて行く。ガスがかからないので助かる。日の出はとうてい望めそうにない。北鎌尾根の上が薄っすら赤みを差して、鷲羽岳や野口五郎岳の山肌に日が当たっているのだが。
 硫黄の臭いがして、異様な硫黄岳真近かに見る。千丈沢乗越に向かう途中で、雷鳥の親子に幸運にも逢えた。徐々に槍ヶ岳が近くなってきた。人を寄せつけない「北鎌」の荒々しさ。最近2人の遭難者があったのを思い出す。槍への急登の前に、風を避け腹ごしらえして備える。槍の肩から、飛騨沢を下る道を見ながら穂先や肩が近く見えるが、なかなか近づけない。喘ぎが激しくなり、やっと小槍が大きく望めると肩に着いた。穂先に人が立っているし、カラフルな色合いが穂先へよじ登っている。槍山荘の前は人が多い。人気のある山なのだ。我々は穂先に登らず穂高への縦走路をめざす。いったん鞍部まで下り、登り返すと大喰岳山頂に着く。ここからの槍の形は非常によい。常念岳や東鎌尾根を確認して中岳へ向かう。岩だらけの山頂だ。左俣側に鏡平山荘の赤い屋根が小さく見えている。
 ガレ道を下った鞍部に、水場があるはずだがない。上に大きな残雪があるのだが、凍土が溶けて山に沁み込んでいるようだ。南岳小屋が見え出し、最後の山頂となる南岳に着く。ゆっくり漫歩を味わい、展望を心ゆくまで満喫した。小屋もすぐ下に見え、なんといっても小屋の先にある北穂大キレットが恐ろしげに連なっている光景は見応えがある。小屋に着いて、松本女史持参の抹茶を立てていただき疲れが吹っ飛んだ。水は有料で1リットル200円也 人の少なさを期待したが、さにあらず多いではないか? テント場も賑やかだ。夕食は美味だった。
 双六小屋(4:10)〜樅沢岳(4:55)〜千丈沢乗越(8:31)〜槍ヶ岳山荘(10:20〜10:45)〜大喰岳(11:20)〜
 中岳(12:15)〜中間ピーク(13:15)〜南岳(14:10)〜南岳小屋(14:30)

 8/24(月)曇りのち晴れ
 うっすら足元が見え出す頃、槍平小屋に向け南岳西尾根を下る。急降下が予想されので、引き締めて下降に入る。丸太の橋を乗り越え尾根に取り付く。鉄梯子を二度上り、ヤセ尾根へ出ると端っこまで木道が続く。風が吹いたり雨の時は非常にヤバイところだ。木道が切れた所から急降下に入る。標識板があって「下る人へ、めちゃめちゃ急な為ゆっくりと下って」とある。しばらく下ると、救急箱が設置されていて、中味も充分入っている。事故が多いというのか余計に慎重になる。真下に槍平小屋が見えているけれど、はたしてどのように道を取るのか不安が走る。やたら梯子が設置されている。高度を下げるようになっているようで、気が抜けない連続だ。本来下山ルートは南沢を下るのだが、道が崩壊して新道がこれのようだ。
  南沢に出る頃から登ってくる人に会う。梯子から解放され小屋まで緩やかな道である。槍平小屋は十字路になていて、人の往来が多く賑わっている。朝食をゆっくりとり、右俣谷沿いの道を白出沢小屋まで下り、長い林道を行けば新穂高温泉に着く。予定どおりだ。
 バス停前にある無料温泉が使用できず(故障)、さらに下の深山荘で汗を流し、満員のバスに乗って帰還した。
 南岳小屋(4:55)〜槍平小屋(7:45〜8:40)〜藤木レリーフ(9:20)〜白出沢出合(10:35)〜新穂高温泉(12:05)

・日 程=8月21日〜24日
・コース=新穂高温泉〜ワサビ平小屋(泊)〜鏡平〜弓折乗越〜双六小屋(双六岳ピストン、泊)〜樅沢岳〜千丈沢乗越〜槍ヶ岳肩〜大喰岳〜
     中岳〜南岳〜南岳小屋(泊)〜南岳西尾根〜槍平小屋〜白出沢出合〜新穂高温泉
・リーダー=北川嘉康/サブリーダー=今村克己
・参加者=7名
space

space
space
「最近の活動」ページへ戻る
space
space
space
contents
space
to_top
space