野坂「石庭嶽」
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 坂本記者の特派員報告!
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 「イシバダケ? どこにあるんですか? それ」……思わず尋ねずにはいられない馴染みのない名前の山の頂をめざすことになった。
 マキノ駅からタクシー2台に分乗して、西山林道のゲートを抜け緑ケ池を出発点とする。山はすっかり晩秋の装いで、いきなりのブナの森。簿日の射す曇り空だが風がないのがありがたい。シカのナマナマしい雲古やクマの爪痕がハッキリ残る樹面をみて野生の山を実感。みんなそれぞれの思い入れの「鈴」を付けておしゃべりしながら進む。それにしても綺麗な紅葉風景だ。広葉樹と針葉樹の混生の森に白く淡い日差しが降り込み、足元はイワイチョウの群生。目線の先には赤や朱や黄色の錦繍が「はんなり」なのだ。大谷山と赤板山の分岐を示す標識がある寒風峠で小体止をした後、快適な自然林を辿っていくと、やがて雑木林のなかに859のプレートが掛かった割谷ノ頭に到着した。ここからフツーなら尾根を辿って石庭嶽をめざすところだが、そこは冒険家であり夢多き千田リーダーのこと。彼独自のこだわりのプランがあり、谷口氏のいう「ゴールデントライアングル」と名付けた読図力と勘と山への愛(?)が求められる道なき道をゆくのだ。本来、登山とは道が途絶えたところから始まる旅なのだ。静かな山の懐に分け入る。 トチノキ林道の西南尾根をドドッ〜とヤブをかき分けながらイッキに下降する。 トチノキ谷の綺麗な沢の流れに出合い源流を詰めていく。沢の水音さえ控え目で、静寂さと変化していく渓相に心が躍る。やがて、舞台の緞帳が上がったかのような見事なブナが林立するカマノ谷の出会に到着。錦繍の秋色のなか最高のロケーションで私たちは至福のランチタイムをした。
 石庭嶽への登路を検討し、ルートファインデイングをするリーダーや先輩諸氏を頼もしく見上げながら、私はビデオ撮影に忙しい。この一瞬のこの旬を撮り損なうわけにいかない。アップしダウンし、やがて一本の標識も一片のテープも一切の目印など見当たらない「石庭嶽・780」へと辿りついた。人が訪れた形跡が感じられないのが何よりよい。安易に登山道や表識に導かれて訪れるどんな山頂よりも胸が鳴った。プチ秘境をめざしたプチ冒険山行の目的達成。倒木のブナをベンチにして記念写真を撮った。
 南尾根の稜線を辿って割谷ノ頭に戻り、寒風峠を経てマキノスキー場へ下った。バスの運転手が「クマに出会わなかつたかい?」と聞いてきた。ウ〜〜ン、今日は私たちが獣だったのかも……。
・日 程=11月14日
・コース=緑ヶ池登山口(9:18)〜分岐(9:42)〜 寒風峠(11:00)〜トチノキ谷とカマノ谷出合(12:00〜12:30)〜
     石庭嶽(13:30)〜 割谷ノ頭(14:30)〜 マキノスキー場(16:15)
・参加者=9名
・リーダー:千田博之
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