野坂「雲谷山」
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 坂本記者の特派員報告!
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 いちおう地図とコンパスを持って山に入るが、たいがいは金魚のフンの如し。「地図を読めない女」を脱却し、地図を読んで自立した登山者になりたいと、いまさらだけど登山歴20年のサカモト、「巧みの技」を盗み見る想いで「当会第一の読図の達人」「孤高の三角点の男」と誉れ多い横田和雄さんの例会に初めて参加した。
 異様な建造群の林立と威圧的な雰囲気の美浜町嶺南変電所を抜け、雲谷山東面の屏風ヶ滝コースの入口から進む。何度も橋を渡り、谷を詰めていくと、東屋と祠のある屏風ヶ滝に到着。豪快な水しぶきをあげる立派な滝だがこれは前滝で、本物の屏風ヶ滝は崖の上にあるという。小休止の後、矢印が示すコースを登るのかと思いきや、なんと今きた道を戻って主稜線上の674mに乗る支尾根に取り付くのだという。ありきたりの一般コースではつまらない、面白い方がおもしろいはずの信念を持つリーダー。こだわりの独創的なコース取り。「この荒れ果てた、この急斜面の、この崖を本当に登るんですかぁ〜!」素っ頓狂に叫ぶサカモト。さあぁ〜、大変。目の前にある木の根、枝、岩を鷲掴みにして倒木を跨いだり枝に潜ったり四つん這いになって三点確保で高度を稼ぐ。登るも地獄、下るはもっと地獄のヒドイ斜面だ。一時間半におよぶ悪路の登行に足が引き攣ってきて、大汗かいて気が狂いそうだった。主尾根の手前20m下のところで大御影山の雄姿が望まれるのでここで昼食とした。行く先の長く険しい行程と我が身の軟弱さを考えると、サンドイッチも喉に詰まってしまう。戦闘開始モードで出発するが、ひょっこり尾根に出ると残雪のブナ林が広がり、今までの苦労が報われる光景に出会う。674mでは三方五湖も眼下に眺められ、四囲の山なみや田園の広がる集落が一幅の絵のように美しい。雲谷山は三方五湖を山麓に持つ展望のすばらしい山と聞いていたが、アップダウンを繰り返しながら右に左に百里ヶ岳や青葉山、野坂山地の馴染みの山が迫って来る。圧巻はブナ林の間から「白山」が眺望できたこと。周囲の残雪の山嶺とは別格の、神々しいまでに輝く純白さは正しく白山である。我が愛する白山を眺められるなんて望外の喜びであった。789mの最高点ピークを通り越し、大きく下ったあと雪の斜面を登りつめて、14:05「雲谷山786・6m」二等三角点に辿りついた。
 野坂岳や乗鞍岳、連綿の峰々が遥か彼方まで見渡せる絶好の山岳展望であった。下りのトップは横田さんが行く。来た道を鞍部まで戻り、394mに至る尾根に乗る。正確に位置をとる地図の読解力の確かさは、横田さん自身がまるでGPSのようだ。彼は、いま地図の中に入り込み地図の中を移動している感覚だろうなぁ〜と思っていると、やがて屏風ヶ滝からのコースの分岐にピタリと導かれていた。スゴイ! 「駆使する読図スキルの正確性」「豊富な経験と技術の集積」「動物的勘(?)」などの賜物なのだろう。レベルは違うがサカモト、肝に銘じる誓いをした。よく踏まれているが松枯れのアカマツの多い道を、反射板のある394mへ下った。途中、早春の花といわれるバイカオオレンを見つけて大喜びだった。穏やかな日差しのなか、岸名の集落へ向けて快調に歩き通した。
・日 程=4月15日
・コース=屏風ヶ滝コース入口(9:30)〜屏風ヶ滝(10:20)〜主稜線手前20m下(11:55〜12:30)〜
     雲谷山(14:05〜14:20)〜雲谷山新庄コース(16:00)
・参加者=7名
・リーダー=横田和雄
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