北アルプス「朝日岳〜親不知(栂海新道)」
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左=アヤメ平  右=吹上のコル、栂海新道起点
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左=朝日岳  右=白鳥山頂の白鳥小屋
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台形の犬ケ岳
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犬ケ岳で
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3日目、朝日小屋で
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 栂海新道は1971年4月に『サワガニ山岳会』や地元の努力で、千代の吹上コルから日本海の海抜0m親不知海岸までの厳しい27kmが開通した。北アルプスの3000m級から、山伝いに海岸へ降り立つ達成感をヤマヤは逃さないのだろう。我々も齢を重ねたがチャレンジした。
 初日は蓮華温泉泊で、温泉と料理で英気を養う。

2日目(晴れのち雨)
 アヤメ平から五輪尾根ルートで朝日岳をめざす。まだ高山植物も多く残り、五輪高原を含む湿地帯が広がり木道の整理が行き届いて、老朽化した補修作業をされる人々に出くわし頭が下がる思いだ。花園三角点までの急登をこなし、五輪尾根のガレ場の青ザク、五輪ノ森のダケカンバ林を過ぎると湧水の水場に出る。冷たいのでぜひ味わっていく価値がある。天気は持ってくれず、八兵衛平に入ると雷雨に遭って低木帯に身をひそめ30分やり過ごす。ほどなく吹上のコルに着いて、栂海新道の取付きを確認し、小雨のなか朝日岳の山頂をめざす途中でライチョウ2羽が先導してくれたのはうれしいものだ。誰もいないガスの中の山頂を後にして、10分下った時に熊に遭遇したが逃げてくれてほっとする。よく出没するようで鈴は必携だ。朝日小屋泊。雨上がり後の夜景は富山の入善の灯火が鮮やかに見えた。
・コース=蓮華温泉(5:00)〜アヤメ平〜瀬戸川橋(6:30)〜白高地沢橋(8:05)〜花園三角点(9:55)〜五輪高原〜
     青ザク(10:5)〜水場(12:15)〜吹上のコル(14:00)〜朝日岳(14:50)〜小屋(15:50)

3日目(快晴)
 朝日小屋で早い目の朝食を戴き、小屋主からの情報で栂海山荘へ向かうパーティ―は3組、20名という。天候は晴れ。2日前の段階で水場での涸れはなく、ただし細流で取水に時間がかかる場所があるという。朝日を受け朝日岳山頂へ登る。昨日はガスと小雨だったが、360度の展望が得られた。剱立山連峰、白馬岳と清水尾根、栂海新道の果てに連なる山なみ。越後の雨飾・妙高・戸隠連峰を確認して、一気に吹上のコルに下った。昨日巡って来た五輪尾根を右に見て、大きな岩塊に赤ペンキで記された「ようこそツガミに」を越え憧れの栂海新道へ入った。樹林帯を抜けると平原に出て、木道を巡って行く先にコブがあってこれが長栂山とある。後ろになだらかな山塊は朝日岳だ。池塘が点在するアヤメ平も木道で通過する。この辺りは白馬連山高山植物帯で、目を楽しませてくれる。ほどなく黒岩平に着く。すぐ近くに冷たい清水もあって、最適のキャンプ地だが禁止地区だ。緩やかな高原歩きもここまでで、黒岩山から厳しいヤセ尾根を行くのだ。深い笹は手入れされ、刈られているので助かる。三角点のあるサワガニ山を通過して、北又の水場が鞍部にあって水場まで往復10分だが細流で取水に時間が掛った。今夜の炊事用と明日用の水を担ぎ、犬ヶ岳までの約1時間の急登に堪え、ガレ場の山頂には三角点と標柱があるだけで赤屋根の山荘がすぐ下に見える。10分下れば栂海山荘に着く。テン場が手前にあり、小屋に入って左右に長テーブルとイス。部屋は板敷で3つに仕切られ40人は泊まれる。使用料1000円(一人)は、柱に備え付けの献納箱に入れる。部屋の隅にビニールに入った毛布があり、一枚200円とある。利用させていただく。帳面に利用を記入し献納箱へ使用料を入れる。トイレはテント場の先、藪の中にキジ場としてあるが、夜中は行き難い。
・コース=朝日小屋(5:30)〜朝日岳(6:40)〜吹上のコル(7:15)〜長栂山(8:20)〜黒岩平(10:35)〜黒岩山(11:05)
     〜サワガニ山(13:10)〜北又の水場(14:15)〜犬ヶ岳(15:40)〜栂海山荘(15:50)

4日目(快晴)
  時起床。静かに支度をし、部屋を掃除して漆黒の小屋裏から急坂の尾根をヘッドランプ頼りに慎重に下る。足元をしっかり確認しながら黄蓮山を越え、黄蓮の水場取付で大休止(水場往復10分)。この辺りはブナが群生している。菊石山を越え、きつい登りの下駒ヶ岳に辿り着くと、前に見える大きな山のてっぺんに白鳥山荘が見える。標高が下がるほどに気温が上昇してくるのは分かっているが、風がなく暑さが襲う。広い山頂に三角点があって白鳥山荘がある。携帯の連絡はここだけで他は繋がらない。ドコモは鉄梯子を屋根に上って、auは部屋の中でつながる。ここからゴールまで約6時間。そして2時間先の坂田峠にタクシーを呼べるのはこの地点だけだ。日程に余裕がなく、体調不良者も出てタクシーを坂田峠に呼び踏破を断念する。小屋で休養して細流のシキワリの水場で水を確保し、急な金時坂を下って坂田峠に着いた。ここからゴールまで4時間弱かかる。近いうちに未踏破分の達成を約束し帰路についた。
・コース=栂海山荘(3:45)〜黄蓮山(5:15)〜黄蓮の水場(5:45)〜菊水山(6:30)〜下駒ヶ岳(7:45)〜
     白鳥山(8:55〜9:45)〜シキ割の水場(11:00)〜坂田峠(12:00) 以降、タクシー利用 (北川 記)

・日 程=9月7日〜10日
・リーダー=北川嘉康/サブリーダー=吉見久子
・参加者=5名
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