京都府最高峰の山である。だだっ広い北山の中で、900mを超す山塊は、芦生と比良の西側、そして離れて雲取山、愛宕山塊、長老ヶ岳にすぎない。その中で特に比良の西側は、滋賀県境沿いに点在しており、団栗の背比べ状態だ。概ねどの山も展望は悪く、地味な山塊である。その一番南、市街地よりに皆子山がある。山肌は杉やヒノキの植林が多く、数十年来の花粉症の自分にとっては、文句の一つでも言いたい山だ。かっては北のツボクリ谷から急登を登り、南の沢筋に降りて平に戻るコースが主流であったが、近年集落から東尾根を登るコースが開拓された。急登や渡渉で悩まされた山も、ずいぶん楽に登れるようになった。
寺の裏からいきなり植林下の急登が始まる。林床にはヒカゲノカズラの群落が朝の光を浴びてキラキラ光る。300m程急登を我慢して登ると、自然林も現れだし傾斜も緩くなってくる。ミズナラやカエデの木々が風にそよぎ、登山道には藤の花に混じって、白い小さな花びらがぎっしり落ちている。アズキナシだ。いくつかのコブを過ぎ、琵琶湖を望む展望台を越すと、山頂のある尾根だ。山頂からは武奈ヶ岳が形の良い三角形を見せている。西側は緩い広い谷の窪みで源頭部に当たる。北側の切れ落ちたツボクリ谷とは対照的だ。一面には羊歯がぎっしりとじゅうたんを敷いたように生え、カエデやミズナラの木がまばらに立つ。雰囲気の良い谷だ。昔の記憶は全くないが、ここは一面ササ原ではなかったか。もう北山から笹原が消えて数年になる。帰路は往路を下る。途中、ツリガネタケの面白い形状が印象的であった。
(服部 記)
・ 日 程=2021年5月26日(水)晴れのち曇り
・ リーダー=服部忠、サブリーダー=駒田一郎
・ 参加者=7名
・コース = 出発地、国際会館駅=平集落平橋(8:15)〜寺の登山口(8:35)
〜一級基準点(9:15)〜837mコブ(9:50)〜941mコブ(10:20)
〜(10:55)山頂、源頭部散策(12:00)〜寺の登山口(13:35)〜平橋(14:00)解散
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