梅雨真っただ中、何とか晴れてくれた。イン谷口から金糞峠への登山道は、緑深き木々と増水した沢で、ムンとした熱気を放っていた。すぐに汗が噴き出る。青ガレの岩場にはヤマボウシの白い花、足元にはツルアリドオシの小花に気づく。そして急登のガレ場を越すと金糞峠に躍り出る。風に乗ってガスが押し寄せ、冷気を感じさせてくれる。シライトソウの花が気持ちを和らげてくれる。堂満山頂に近づくにつれ平坦になり、見慣れぬ常緑樹が登山道脇に群生し小さな花をつけている。メールを飛ばして確認すると、「アカミノイヌツゲ」と返事が来た。初物だ。堂満山頂はガスの中で見晴らしはない。山頂写真だけ納めて次に向かう。途中エゴノキの花が美しい。落下した花、見上げると星のように輝く白い花が目を奪う。南比良峠の鞍部から200mを登り返すと、烏谷岳山頂である。ちょうどガスも晴れ、打見、蓬莱、琵琶湖の展望を楽しむ。山頂付近のブナ林も気持ちの良い雰囲気だ。下山は荒川峠から下る。すぐに雨が降り出した。予報通り、ほぼ下りきる2時間ずっと雨になったが、悪い事ばかりではない。雨につられて大きなカエルが登山道に出てきた。茶褐色の背中にイボのある手のひらサイズのカエルで、普段あんまり見ない。かえって調べると、ナガレヒキガエルと判明した。中部地方西部から近畿の山間部に分布する日本固有種のようだ。同系統のニホンヒキガエルとすみ分けているようだ。ウーン、雨のお蔭でこんな珍しいものを見ることができた。林道に合流すると、雨にしっとり濡れたテイカカズラが印象的であった。
(服部 記)
・ 日 程=2021年6月23日(水)晴のち一時雨
・ リーダー=服部忠 サブリーダー=駒田一郎
・ 参加者=9名
・コース = 出発地、JR比良駅(8:15)=イン谷口(8:30)〜青ガレ(9:30)〜金糞峠(10:20)
〜堂満岳(11:00)〜南比良峠(11:40)〜(12:00)荒川峠付近(12:30)
〜烏谷岳山頂(13:05)〜荒川峠(13:35)〜林道出会い(15:00)
〜161号バイパス下(16:00)解散
|