冠山峠から1時間半、山頂からは四周よく見渡せ遮るものがない。東は能郷白山、北には福井の最深部の山々、部子山と銀杏峰。西は金草岳から笹ヶ峰に続く山並み、南は眼下のダム湖と奥美濃の山々が続き、人工物が目に入らない。圧倒的な自然の広がりが心を躍らせる。今日も道中、カモシカが目の前をよぎった。猿の群れもいた。下見の時には、熊が斜面を駆け上がっていた。岩場にはマムシが住む。峠付近は猛禽がゆったりと飛んでいる。
峠で雷雨をやり過ごしてテントを張る。急きょ立ち寄ってくれた先輩リーダーが、半世紀に渡り使い込んだ道具を使って、ロープ技術を指南してくれた。その後、夜のとばりが降りるまで山談義が続く。
次の日、鳥のさえずりに誘われ体を起こす。外に這い出て空を見ると、今日も青空が広がり暑くなりそうだ。予定を早め峠を出発し金草岳を目指す。朝の風はひんやりと気持ちよかったが、鞍部を過ぎ登りの笹原まで来ると、背後から容赦なく太陽が照り付ける。地図には出ない細かなアップダウンが、体力を奪う。コースタイム通り2時間半で何とか到着した山頂もまた陰がない。早々に下山するが、厳しい暑さに体力を消耗し、休憩を細目にとった。鞍部の水場で水分を補給し、頭から水を浴びた。峠までの登り返しがまたきつく、樹木や植物の観察を行う余裕すらない。3時間を費やし、峠に戻ったが、暑さにやられて昼食が喉を通らない。車の冷気で体を冷やしてようやく落ち着いた。
(服部 記)
・ 日 程=2021年7月21日(水)〜22日(木)晴
・ リーダー=服部 忠
・ 参加者=計5名(ただし、21日のみ1名飛び入り参加あり)
・コース = 21日 出発地山科駅前(8:00)=(11:30)冠山峠(12:10)〜1111mピーク(12:50)
〜冠平(13:20)〜(13:50)山頂(14:15)〜(15:20)冠山峠(泊)
22日 冠山峠(6:30)〜三角点1046.6m(6:50)〜900m鞍部(7:30)
〜998mコブ(7:45)〜白倉岳(8:45)〜(9:00)金草岳山頂1227.1m(9:30)
〜998mコブ(10:40)〜鞍部水場(11:00)〜三角点1046.6m(12:00)
〜(12:20)冠山峠(13:15)=山科駅前(16:50)解散
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