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初(はっ)ちゃんの世界紀行 ――吉田初枝
 
バリ島への旅 [2024.01.25~02.2]
 
 真冬には暖かい国へと行きたい。昨年の12月バリ島行を決めていた。でもウクライナ、中東のガザの戦火が続き、元旦には能登半島の大地震、政治家の腐敗が進み、行き先見えずの時代、考える程に、ためらいは大きくなるが、残り少ない元気を起動するには、今しかないと決心する。何度訪れても、良き思い出を運んでくれたバリ島へと心は急ぐ。

 何時も他国に入国する時には、機上で税関申告書を書かされたのだが、今回は入国する2日前に、パソコンかスマホで申告が必要。人件費の削減なのか、これからの海外への旅は、この方法に慣れなければならない。年中夏のインドネシアの季節は、今は梅雨らしいが、果物の最盛期、2人の相棒さんと、関空より旅立つ。デンバサール空港では、アライバルビザは、いとも簡単に得られるが、入国審査では念入りの検査と、大勢の観光客の為長い間待たされる。

 
 
クタにて
 昨夜は遅く着いたのですが、思いのほか豪華版の大きなホテル。プールの周りにはレストランがあり、多くの観光客で賑っています。ツアーの人々のホテルのようで、大型のバスの往来が、ひっきりなしにある。地図上では繁華街に近いと、勘違いをしていました。タクシーで行こう。クタはバリ最大の繁華街、レストラン、各ショップ、ナイトスポット等が目白押し、クタスクエアーを散策すれば、バリ・ヒンズーの寺は、幾つもありましたが、大きな敷地を占めて、京都市内の寺の有様に良く似ている。多分、固定資産税は払ってはいないでしょう。ブラブラとお店を見て歩く。価格は在ってないような、値切れば3分の1位に為る。昼食をバリ・スタイルの清潔そうな店で、海鮮天婦羅を戴くが、こってりしてしつこい味がした。ホテルで明日のウブド行きの車を予約する。

1.ウルワツ寺院のケチャダンス 2.ケチャダンス 姫と王様
ウルワツ寺院のケチャダンス space ケチャダンス 姫と王様
 
 今晩は由緒あるウルワツ寺院を訪れ、境内で行われるケチャダンスを、観に行こう。ホテルより1時間半位かかる。細い道の通行は、混んでいて、多分ウルワツ寺院に向かっているのでしょう。パーキングの場所や車のナンバーの写真を、スマホで相棒さんは撮ってくれる。ダンスの始まりまでを、広い寺院の中を散策するが、サルが沢山いる。此処の猿たちは狂暴である。見物客の帽子や眼鏡を取って逃げる。猿との戦でもある。ウルワツ寺院は、インド洋の荒波が迫る断崖絶壁の上にあり、到底そこまでは行けそうにはない。美しい夕陽の観賞も、曇っていて見えない。ダンスの始まりと同時に、小雨が降り出した。見物客に薄いレインコートが配られる。女性のアナウンスが終われば、黒白の格子の腰巻、上半身は裸の男性達が、30人程入場してくる。楽器の伴奏は無く、雄々しい男性達がアカペラの、一糸みだれぬ合唱は迫力満点。内容は理解できないけれど、敵と味方に別れた戦いのようです。お姫様、王様、王子様、老人が現れ、白いサルが、道化師のようで、見物席に入って来ては、笑いを誘っている。最後は火祭りのダイナミックなドラマで終わる。私はお姫様の長く引いた裾の濡れが気にかかる、雨で濃い化粧が溶け出すのではと心配しました。帰路も車は混み合いました。

 
クタ➡ウブド
3.王宮のかしこどころ
王宮のかしこどころ
 
 公共のバスはコロナ禍以来、本数が限られているとかで、予約していた車は時間きっちりと。途中は多くの村々を越えていく。昔ながらの石工屋、竹製品屋さん、地元の人達の店が沢山あります。少し華やかな街が、州都のデンバサールでした。昔訪れた時は、庶民の活気のある街と感じて居ました。ジャコー猫の糞から、コーヒーにする店に立ち寄りました。ドライバーさんにはコミションが入って来るのかな。コーヒー園ではなく、植物園のようで、多くの植物を説明して、最後はコーヒーをという、筋書きになっている。味は何時ものとは変わらない。ウブドの宿に到着する。

 ウブドは芸能と芸術の文化の中心として、発展した町だが、今ではこの町に留まり、各地を観光するのが常套手段らしい。ウブドでは、コテージ風の大きな緑豊かな庭に立つホテルを選んで、正解だったようです。バリのホテルはプール付きが、常識のようで、このホテルにも2つものプールがある。先ずはリックを預けて、中心街へと歩き出すが、坂あり下り有りで、20分位かかった。私は二人に迷惑をかけまいと、歩くのが辛かった。

 今日のメインは、王宮と市場の見物。大きな道路は信号なしで、渡りは難しいが、ゆっくりと歩けば、向こうが止まってくれる。巨大な王宮の中は、多くの見物客で賑う、スマホ片手に人波は続いています。オランダに征服される以前は、王制時代であった。当時の華やかな面影を残しています。王宮の前に市場があった。以前は青空市場で、早朝は地元の人々との商い、少し時間が経てば価格変動して、観光客相手に変わる。売り手買い手の駆け引きドラマを見るのが楽しく、市民の生活を垣間見ては、何度も通った事でした。驚いたのは青空市場が、2階建ての大きなデパートになっています。政府の政策でしょうか、観光が主なる収入源の国だから、ウブドの人々が、喜んでいるか否かは、聞いてみなければ分からない。カシュガルのエテガール寺院前の市場を、思い浮かべる。多くの売り手さん達は、暇そうにしています.当時の楽しそうな笑い声は聞こえず、賑わいも亡くなってしまった。観光化で人々が幸せそうに、働いていた商いの現実を、辞めさせてしまったように思える。ホテルへの帰路で戴いたレストランの、赤紫のドラゴンジュースは、とても美味しかったのが印象に残ります。

 
ウブドの2日目
4.ゴア・ガシャ 5.タンバシリン寺水浴
ゴア・ガシャ space タンバシリン寺水浴
 
6.ガジャマルの巨木
ガジャマルの巨木
 
 ホテルでの朝食のデザートは、旬の果物満載は流石です。満足の至りです。同じホテルでは面白くないかもと、今日はホテルを変える事にします、リックと一緒に車に乗ります。元気そうなドライバー付の予約観光に繰り出す。

 先ずは近場のゴア・ガジャへ。古代遺跡の象の洞窟は、巨大な象の顔の入り口の中に、横穴があり、僧侶たちが瞑想した場所。洞窟の前には女神が彫られた沐浴場。パクサン川の対岸には祭りや祈りの館がある。照り付ける太陽は激しく、階段の登り下りが多くて、下りに弱い私は中々ついていけない、しんどい時には、木陰で待っていました。

 次はグエン・カウイに行く。田園地帯の中を走り、此処も階段が多い。入口より長き階段を、渓谷の底に向かって、降りていく感じです。両サイドには多くの店があるが、暇そうです。王家の陵墓を見学する感じでした。

 山岳地と車を走らす、バリ一番の景勝地という、変な名前のキンタマニーへと、小雨が降って来た。バトウール山(1717m)の、外輪山からの眺めは素晴らしいとか。生憎の雨でバトウール湖も全く見えない。晴れた日のお楽しみに。遅め目のバイキングをビユーポイントで、戴きましたが、好みのものではなかった。

 仕方なく山岳地帯を下りタンパシリンに。水の妖精の寺と、呼ばれているそうです。地元の人々や、観光客も皆、服の儘で、大きな筒の中から、激しく出る水で、水浴をして身体を清めています。幼き頃の別府の鉄輪で、経験した混浴を思い出します。寒くは無いのでしょうか、温泉水ではないでしょうから。雨が激しく降って来たので、寺の陰で雨宿り、ライス・テラス行きを断念して、大きなスーパーに寄って、変更したホテルへと。

 山岳地は雨なのに市街地は晴れています。別のホテルに移動は、途中で降ろされて、此処からは車は入れないのでと言われる。細き田んぼ道を今日のビラを捜しながら、トボトボと歩き、多くの民宿の間を抜けて、二階建ての大きな邸宅に着く。其処が今日の泊まる宿(ビラ)でした。レセプションは無く、叔父さんが出てくる。ウエルカムドリンクは西瓜のジュース。じゃんけんで負けて、私は二階の一人部屋。庭が広く南洋植物や果物が繁り、部屋の四方がオープンなので、夕日も朝日も、心いくまで、楽しめそうです。清貧なる旅には、相応しくないかもと、自分でも吃驚しました。オーナーの孫さん達かな、夕刻にはプールで泳いでいました。深夜、天井には何かの動物がいるのでしょうか、鳴き声がするが、危害は加えないだろうと、ぐっすりと休みました。

 
ウブドでの3日目
7.ビラのプール 8.モンキーフォーレストの猿たち
ビラのプール space モンキーフォーレストの猿たち
 
9.モンキーフォーレストの地下へ
モンキーフォーレストの地下へ
 
 窓から光り輝く朝日を、しっかりと眺め、美味しい朝食を戴き、此のビラも満更ではないが、矢張り1昨日泊ったホテルの方が、良いとなり移る事に為る。田んぼ道はバイクの後ろに乗って、送ってくれる。相棒さん達は、荷物だけを運んでもらって、歩きで落ち合う。

 今日は快晴、そんなに暑くはない。モンキーフォレストに行きましょう。王宮前までは、何時もの辛抱の道筋です。矢張りコロナ禍の影響で、閉まっている店も多々ある。王宮から真っ直ぐの道を進み両サイドは、観光客目当ての店ばかり。時折ちらっと覗き乍、大きな森林へと突き当れば、其処が猿達の世界となっている。興味ありげな散策の道が沢山あります。此処の猿達は大人しく、1族が群れを成していて、えさ場ではイモ類、果物を与えられています。観光に来た人達も、家族ぐるみで、楽しめるようになっています。私達も良く歩き、猿さん達からも、如何思われているのでしょうか。この大きな森林は猿さん達の天国でした。

 ブラブラと歩いて、店を見たりして、帰りましたが、1軒の小さな食堂で、美味しい食事が出来ました。沢山の民宿や小さなホテルが、連なっています。それぞれの玄関には、竹のお皿に、供物が載っています。毎日の習慣でしょうか、バリ・ヒンズーの神様に、差し上げているのでしょう。宗教と共に生活している、バリ島の普段の日常です。私達はホテルで洗濯や、広い庭を歩いて廻り、のんびりと過ごせました。

ウブドでの4日目
 
10.ライス・テラス 11.ネカ美術館 魅かれあう男女
ライス・テラス space ネカ美術館 魅かれあう男女
 
 昨夜シャワーの出が良くないと、ホテルに告げると、別のもっと奥の、気持ち良い部屋に変えて呉れた。従業員さんは、早朝より庭を掃除しています。池には様々な色彩の鯉が、沢山泳いでいます。若い人達は2つのプールで楽しんでいます。コロナの時期には、ホテルは如何していたのでしょうか。聞いてみたい気がしますが、失礼かもしれない。朝食のデザートには沢山のフルーツがあり、何時までも滞在したいホテルです。今日はライス・テラスに行きます。

 行く途中は日本の田舎の風景、年中暖かいこの地では、稲の生育は1年中。何処かでは田植え,収穫とまちまちです。梅雨の今は水が豊富なので、田植えが多いのかな。ライス・テラスとは、日本でいう段々畑の事です。世界遺産フリッピンのバナウエイの棚田群には、比べられない位劣る。私は下りに弱いので、ある程度のところで、相棒さん達を待っていました。観光客を静かに見物しました。山を削り、人工的に造ったと思われる。若い人たちのアドベンチャーワールドです。大きなブランコ、向こうの山までのゴンドラや、長いドレスを着て、記念写真を撮っています。もっと鄙びた所と思って居たのが、違っていました。

 ウブドのネカ氏の絵画を収集している、ネカ美術館に行きます.以前訪れた時よりも、格段立派な建物になっている。時代の流れでしょうか、国の方針なのか、全てを観光化しているのを、実際に眼にする事となる。入場券が1500円位で、バリでは一番高い。テーマご毎の展示は、上手に区分けしてあり、自然の風までが、入って来るように造られています。庭の風情ものんびりと出来て、気持よく閲覧できました。  王宮の前の市場に行き、何か土産をと捜してみても、欲しいと思うものは見当たらず、1昨日のレストランで、バリ独特の料理を戴いて、満足してホテルに帰る。

 
ウブドでの5日目
12.タマン・アユンの玄関口 13.タマン・アユンのメル(祭礼の搭)
タマン・アユンの玄関口 space タマン・アユンのメル(祭礼の搭)
 
14.バトウール山と湖 15.ブサキ寺院
バトウール山と湖 space ブサキ寺院
 
 今日は少し距離があるかな。タマン・アユン寺院、バトウール山方面、ブサキ寺院が観光の予定。イケメンの若いドライバーさんの車で出発する。

 まず初めにタマン・アユン寺院の境内に入る。玄関口より非常に上品で、整った美しさを表している。ムングウイ大国の国寺であった。庭園寺院の風情がある。境内には高い塔の周りを、取り囲むように、堀を巡らしている。清らかな水の流れが、周囲の田畑を潤している。歩いて廻る所は、全て芝生が植えられ、田園風景の長閑さを感じる。神秘的な静寂を与えてくれるお寺でした。

 1昨日のリベンジなるか、再び山岳地帯へと入る。広大なバトウール山を目指して、グングンと登って行く。ビューポイントに着けば、バトウール山の頂上まで、はっきりと見渡し、噴火口のバトウール湖迄のパノラマ景色を、美しい青空の下、遠望できて言う事は無く。静かに眺めるのみ。昼食は各自が選ぶレストランで、この風景を眺めて戴けるのは、美味しさも増す。

 アグン山の麓にある、ブサキ寺院に着く。ドライバーさんは初めてらしく、パーキングに戸惑っていました。バリ・ヒンズー教の大本山です。バリの人々からは母なる寺と、崇められています。京都の東西本願寺のバリ版です。サイドカーで本山の近くまで、送ってくれる。巨大な寺院の参道には、お土産屋さんが並んで、まるで門前町のようです。この寺には30の塔頭があるらしいです。本尊は長き階段の上にあり、やっとたどり着きました。シバ神を祀る全ての寺院の中心であるとか、信者でないが拝もうとすれば、白装束の男性が出てきて、ドネイション(寄進)をしなければ、拝めないと言う。矢張りお金が欲しいのです。日本の政治家と同じです。神聖な寺院という気持ちが、どこかに飛んでいきました。雲行きが怪しくなってきて、雨が降り出す。激しさを増して来る。屋根のある所で一休み、小止みになってドライバーさんと落合い、スーパーに寄ってもらう。バトウール山で、大きなマンゴーを買いました。ホテルで調理をお願いすれば、大皿に山盛り。夕食が入らない程満腹になり、最終の晩餐はマンゴーにて落着。次の日は帰路に着きました。

 
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