石の魅力――鉱物・化石・岩石――(岩田修一)
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 野山を歩くと、ときどき足下や崖の表面でキラリと光る石が目にとまることがあります。たいていは、透明な鉱物のかけらや雲母なのですが、たまには立派な水晶やトパズだったりします。とくべつ目立たない砂岩や泥岩を半信半疑で割ると、図鑑や博物館でしか見たことのない太古の化石が現れることもあります。このような体験をすると、すっかり石の魅力に憑かれます。取り憑かれた人を、アマチュアあるいはマニアなどと呼びますが、なかには専門家以上に輝いている人もいます。
 岩石(鉱物の集合体)で、色かたちの風流なものは水石や庭石として珍重されます。岩石を石ころや盆栽サイズでなく、スケールを変えると単なる石ではなくなります。山全体がそうなので、あまり意識されないようにみえますが、岩稜や岩壁といえば登山者の心を捉えます。また、富士山といえばほとんどの日本人がひかれます。その魅力は尽きないようで、岩(岩石)に命をかける人も尽きません。
 岩石の種類や構造・組織を調べると、それが形成され今日に至ったありさまがよくわかります。また、地球変動の一端を知ることもできます。科学に興味のある人は、地球学者やシャーロックホームズのように謎ときを楽しめ、いつの間にか今日的な問題である地震や火山の噴火・洪水に対しても、違った見方ができるようになります。
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