北アルプス「剱岳」
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 坂本記者の特派員報告!
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 昨年、台風の影響で流れた計画のリベンジです。今年も台風の悪天候を心配したのですが、大丈夫。幸いにも、4日間登山日和に恵 まれ無事に帰還(?)致しました。「雪と岩の殿堂」と称される剱岳は、ぜひとも早月尾根から登りたいという願いが叶い、今、全身筋肉痛(?)のような痛みに耐えながらも、ジワ〜〜ッと細胞から湧き出る喜びに浸っております。
 17日の夕刻、カンカン照りの京都を、夏バテでフラフラの身体で出発。11時に馬場島キャンプ場に着いてテント泊まり。標高700m、もう少し涼しいかと期待していたのに、なんの、暑い暑い。ビールと誘眠剤を飲んで就寝。
 18日、5時起床、6時に出発です。青空の広がる晴天に「よっしゃぁ〜〜!」と気合が入ります。まだ遥かに遠い稜線を仰ぎ見ながら、馬場島のキャンプ場を抜け、「試練と憧れ」と刻まれた石碑、遭難碑や観音像を横切って早月尾根に取り付きます。が、歩きやすい道も松尾平まで。1200mからは本格的な登り一方の登山道となり、大汗が噴き流れ目眩が起こりそうです。巨大な立山スギを何本も見送り、喘ぎ喘ぎの展望のない急坂を登り詰めます。さすがに、北アルプス三大急登と名高いだけのことはあります。1930mの三角点、避難小屋跡を通り、「早月小屋まで0.7K」の標識から更に急登を行って、歩き始めて6時間半、ようやく小屋に着きました。目の前に、豪快で造形的な岩峰を眺めながらのビールの味はサイコーです。ヨット柄(?!)のパジャマを着た東京のお兄さんが「あれが三ノ窓、あれが小窓……」と説明してくれ、ウイスキーやチョコレートも御馳走してくれて、楽しいひと時でした。
 19日、晴天。いよいよ「剱」を征服する日。5時半に小屋を出発しました。小さなピークをいくつか越ええると森林限界で、小屋はもう遠くに望まれます。ここからが核心部で、ヤセ尾根を、ガレた岩場を登り、ザレた岩礫帯を下り、数々の難所を一つひとつとクリアしていきます。そんな岩場の途中に、トリカブトやマツムシソウの群落が咲いていてココロが和みます。三点確保で獅子頭、カニのハサミと名付けられた岩場を、時にロープをつたい、時に鎖に助けられ左に巻いていきます。山頂直下の圧倒されるような急斜面を登り詰めると、そこが2999mと測量された「剱」の頂上でした。狭くゴツゴツした岩肌に小さな祠が建っています。そして、2年前に剱岳測量100周年記念事業の一環として、新たに埋め込まれた三角点の標石がありました。多くの山で三角点を“ナデナデ”してきた私ですが、このナデナデは感無量でしたね。
 別山尾根から登ってきた登山者で大変な賑わいです。後立山連峰、笠、薬師、黒部五郎の連綿の山並み、立山三山に大日連山の見事な眺望。なのにあれは幻だったのか? と思わせる素早いガスの流れで、な〜んにも見えなくなってしまい、粘ってみたけど二度とカーテンコールはありませんでした。最も険しく最も美しい孤高の山にふさわしい、最も印象的な頂上の思い出となりました。  下山は体力と技術、気力、パートナーシップ、そのすべてが要求される過酷なものでした。早月小屋に戻り、預けていた荷物をパッキングし直して、昨日の尾根を下ります。3000mの頂上から700mのキャンプ場まで、イッキに2300mを下ったのです。それだけに、歩き通した後の達成感、充実感は、ハンパではありません(キッパリ! ニッコリ!) 。

・日 程=8月17日〜8月19日
・コース=8/17 馬場島野営場(テント泊)
     8/18 馬場島(6:00)〜早月小屋(12:30)(小屋泊)
     8/19 早月小屋(5:30)〜剱岳(9:30〜10:00)〜早月小屋(12:30〜13:30)〜馬場島(18:00)
・参加者=坂本 恭子ほか3名
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