北海道「雌阿寒岳・羅臼岳・斜里岳」
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左=雌阿寒岳登山口   右=ハクサンシャクナゲ
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左=マルバシモツケ   右=雌阿寒岳山頂
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左=ウコンウツギ   右=キバナシャクナゲ
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左=エゾツガザクラ   右=大沢雪渓
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極楽平
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一丿沢
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熊見峠付近
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馬丿背にて
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 敦賀からのフェリーにて苫小牧港に着岸、北海道に入る。今回は、世界遺産に登録された知床の山を巡り、摩周湖や野付半島、納沙布岬、釧路湿原を経て襟裳岬等を寄りながら苫小牧港に戻るという山旅である。

 7月2日 雌阿寒岳(1499m)
 池田町の民宿から、雌阿寒温泉登山口に。駐車場は濃いガスに包まれている。身支度を整え、アカエゾマツの森を進む。一合目、二合目と書いた歩程の目安となる標識が設置されている。二合目辺りからハイマツ林となる。花々が美しく我々を迎えてくれる。緩やかな登りが続く。五合目で小休止、砂礫で歩き辛い。相変わらずガスで展望はきかない。
 八合目からは風も強く、山頂に近づくにつれ硫黄の強い匂いとゴーという噴火口からの音が耳を突くが何も見えない。火口壁を辿り山頂に着き、石積みの方位盤で記念写真を撮る。晴天なら雄阿寒岳など素晴らしい展望が開けることだろう。風を避け、八合目まで下り昼食とし、往路を引き返す。
・コース=雌阿寒岳温泉駐車場(9:18)〜登山口(9:25)〜五合目(10:40)〜八合目(11:25)〜山頂(11:56)〜
     八合目(12:20〜12:40)〜登山口(14:10)

 7月3日 羅臼岳(1660m)
 今日は、知床半島最高峰の羅臼岳をめざす。車を走らせる左右や、行く道を塞ぐように多数のエゾシカが草を食み、キタキツネがすばしこく走り去る。さすがに地の果てである。
 さて、ウトロ側の岩尾別登山口より入山届を提出して、1400メートル余の標高差を登る第一歩を踏み出す。人気の山なのだろう、山開きがまだなのに、既に多くの登山者で賑わっている。ミズナラ、トドマツエゾマツ等の自然林の急な登山道を「クマ頻繁に出没」の注意書を横目にひたすら登る。
 オホーツク展望台を過ぎ、弥三吉水で小休止。冷たい水で喉を潤す。頂上まで4.3キロとの標識が立っている。頭上を覆いかぶさるようなダケカンバの極楽平を、皆それぞれ何度か頭をぶっけながら銀冷水を通過。大沢の雪渓に、ここでアイゼンを装着して雪渓の登りだ。ガスがかかって先があまり見えない。これを登り切り、しばらくでハイマツ帯の広い羅臼平に到着。ガスの切れ間から眼前に羅臼岳の岩峰が顔を見せる。
 緩やかな羅臼平から岩清水の分岐へ。いよいよ最後の急登が始まる。エゾノツガザクラなど花々が美しい、巨岩の間を縫って、多くの登山者がひたすら登る。雪も登山道に随所に残り、山頂は狭く岩場を登り降りする登山者でごった返していた。山頂標識でそそくさと記念撮影。ガスと強風が吹き荒れ、展望は全く無く残念だったが、登り切った充実感にしばし浸った。山頂直下の岩場で再度記念撮影、極楽平まで戻り昼食。その後往路を下山し、駐車場横の川沿いの森に囲まれた無料の露天風呂で汗を流しゆっくり温泉を楽しんだ。
・コース=羅臼岳岩尾別登山口(5:17)〜オホーツク展望台(5:58)〜弥三吉水(6:50)〜極楽平(7:00)〜銀冷水(7:55)〜
     大沢入口雪渓(8:13)〜大沢雪渓終わり(8:50)〜羅臼平(8:58)〜岩清水分岐(9:20)〜山頂(10:23)〜
     羅臼平(11:20〜11:39)〜大沢雪渓(11:52)〜大沢雪渓入口(12:16)〜弥三吉水(13:16)〜
     オホーツク展望台(13:51)〜岩尾別登山口(14:20)

 7月4日 斜里岳(1545m)
 清里町の、清岳荘のそばから標識に導かれて入る。すぐ林道に出てしばらく行くと、ほどなく一ノ沢沿いの登山道を行く。今日のコースは、二股で旧道の谷筋に入り、登頂後下山に尾根道の新道を下る計画であったが、登山口で管理人から「今年は残雪が多くて谷筋は危険で、スノーブリッジは崩落の恐れが多く新道の尾根道を往復する方がよい」との助言を受け変更した。
 一丿沢の遡行は、注意を受けたように随所に多量の残雪で水量も多く、渡渉のための飛石も隠れ、渡渉の繰返しも難渋する。また残雪が行く手を阻み、それを乗越えての慎重な歩行に予定より時間を大幅にロスしてしまう。
 二股から尾根筋に入り、ジグザグ道の急登となる。やがて、ゆるやかなダケカンバの道になると熊見峠で、ここで一息つく。今日は展望もすこぶる良く、斜里岳も青空に映えている。 登山道は、ハイマツ帯の尾根道をいったん下って馬の背への辛い登りが続く。狭い登山道のうえガレ場で足場も悪く、下山者とのすれ違いに神経を使う。
 馬丿背は休憩者で賑わっていた。山頂まではわずかの登りで、思い思いのペースで山頂に。戻って馬丿背で展望を楽しみながら昼食をとり往路を下山した。
 一丿沢の残雪で、登下降に思ったより時間がかかったが、全員無事下山できたことがなによりも喜びで、リーダーへの感謝の気持ちで一杯であった。
・コース=斜里岳清岳荘登山口(8:37)〜下二股(9:45)〜熊見峠(11:02)〜上二股(11:32)〜馬ノ背(12:16)〜
     山頂(12:32)〜馬ノ背(12:48〜13:00〜上二股(13:22)〜熊見峠(13:57)〜下二股(14:47)〜登山口(15:50)
                                                          (荒木 記)

 付 記
 苫小牧への帰路に立寄った野付半島は、オホーツク海の潮の流れによって造られた日本最大の砂嘴で、ラムサール条約登録湿地として保護され、ハマナス、エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、センダイハギなどの、色とりどりの美しい花々が辺り一面いまを盛りと咲き乱れ、半島全体がお花畑の感を呈していた。また、水鳥の保護区として知られ、多くのカメラマンが三脚を林立させ撮影に余念がない。
 海の方向に目を転ずれば、我国固有の領土である国後島が間近に眺められ、感慨深いものがあった。 この半島は、交通の不便な所だが一度は訪れてみてはとお勧めしたい価値ある場所だと思う。(加来 記)

・日 程=6月30日〜7月8日
・参加者=加来繁幸(リーダー)・荒木邦夫・有田みつ子・徳田時子・近藤誠隆・玉井ハル子
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