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国宝「投入堂」 |
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左=新緑のブナ林を行く 右=エゾヤマザクラ(樹齢500年) |
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五月晴れの千軒平 |
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左=6本杉 右=六根清浄の修験道 |
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左=アカモノ 中=ユキザサ 右=
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久しぶりにバスの山旅が企画されて20名が揃った。週間天気予想では最悪の天気図だったが、実際は青空が広がって五月晴れの理想的な山旅日和となった。
役(えん)の行者がその法力を持って麓から投げ入れたと伝えられる「投入堂」で有名な「三徳山」。山全体が国の史跡名勝に指定されて重要文化財が点在する修験道の聖地である。本堂の事務所で足元や靴の裏まで入念にチェックされて「六根清浄」と書かれたタスキを受け取って入山。すぐに急登が始まった。ツルツルの露岩に木の根が張り巡った激坂を登り、ロープや鎖場の斜面に馬の背と次々に難所と悪路が現れるなか、途中の鐘楼堂で鐘を付き、巨岩の上に建った文殊堂や地蔵堂の舞台から四位の山並みを眺める。やがて登山の最終地点の国宝「投入堂」に到着。垂直に切り立った断崖絶壁の窪みに建てられた奥の院が、空中に浮かんでいるかのように鎮座していた。写真や動画で今まで何回も見た通りの建物なのだが、この修験の道のりを歩いてきた者しか味わえない、なんとも言えない神性な荘厳さに満ちている空間であった。「ロッコンショウジョウ」の清々しい気持ちで日本一危険な国宝の前で記念写真を撮った。
下山後、三朝川の上流に流れる「小鹿渓」に移り、五月晴れの渓谷沿いの遊歩道を散策した。上斎原温泉 国民宿舎「いつき」は隣接するクア・ガーデンと繋がっていて、広い湯船にマッタリとした泉質が好ましく、ゆっくり疲れた体を癒やした。イワナや山の幸に生ビールで乾杯。盛り上がらないわけがない。
翌日も五月晴れ。岡山県の「県立森林公園」が登山の起点となる「千軒平山1,090m」は、当会で初めての取り組みではないだろうか。歩きやすい散策路が四方八達に整備されていて、私たちは六本杉〜ポーズ原谷〜ぶなの平〜奥ぶなの平〜すずこの平〜もみじ平〜千軒平山と扇型に稜線を歩いて、おたからこう湿原から管理センターに戻るという約5時間のコースを設定した。延々と続く森林の中、近くにウグイスが囀り遠くにカッコウが啼くのを聴きながら、足元にはユキザサ、ツボスミレ、ホウチャクソウ、アカモノなど春の草花が満開の時を迎え、樹齢500年の大山桜や天然スギの巨木が現われたり、沢沿いにイワナが悠々と泳ぐ姿を眺めたり、美しい新緑のブナやミズナラの大木が林立するなか、ネマガリタケが山肌一面を覆う景観に歓声を上げながら、正午ピッタリに山頂に到着した。大山の大きなシルエットや蒜山、1000m前後の山また山の素晴らしい展望が待っていた。今日も最高にシアワセな「ヤマメシ」をご馳走さま。至福の時を経てテンションが上がったまま美しい山を下山することにした。
久しぶりのバスの山旅。選んで訪ねた旅先が良かった。選んで登った山が良かった。(坂本 記)
・日 程=5月24日〜25日
・参加者=20名
・リーダー=千田博之/サブリーダー=坂本恭子
・コース=一日目 院庄IC=人形峠=三徳山登山口〜文殊堂〜投入堂(三徳山・三仏寺奥の院)〜往路下山
二日目 上斎原温泉=岡山県立公園管理センタ〜奥ブナ平〜すずのこ平1079〜千軒平・1098〜もみじ滝〜管理センター=奥津
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