南アルプス「荒川三山・赤石岳」
space
space
space
3931_13931_2
space
左 悪沢岳、右 丸山から荒川三山
space
space
3931_33931_4
space
左 荒川前岳から赤石岳、赤石岳山頂
space
space
space
 赤石山脈――学生の頃より、富士山に次ぐ高位の山、3000m級が連なる山並みに興味をいだいていた。山登りをかじり出した頃は、本格的でないと生半可な入山は困難といわれていた。足が向いたのは早くから拓かれていた北アルプスと中央アルプスだった。
 南アルプスの北部が拓かれ、沢山の人が押し寄せるようになって、ご多分に漏れず中部の塩見岳に登った。南部の荒川三山とその奥の赤石岳を望んだ時、行きたい山として強烈にインプットした。  深田久弥氏の著書 (100名山)が大ヒットして、ブームになったお陰で加速度的に南部も拓けた。交通の便、山小屋の宿泊設備も格段に良くなって、ビキナーの我々も比較的容易に深山への入山ができるようになったことは素直にありがたい。
 かくして、我々一行(72歳を筆頭に、女性も含め8名)が3泊4日で挑戦した。地形的に天候の急変は常で、必ずといってよいほどに午後から雨・雷の発生があるので心して望む。案に相違して、千枚小屋からは夕方より富士山が刻々と色の変化するのを楽しんだ。高山植物が咲き乱れ、3日目のハイライトでは、千枚岳でご来光を拝し、快晴の荒川三山の稜線を展望を欲しいまま楽しんだ。北部の塩見・千丈・北岳や、南部の目前にでかく聳える赤石・聖である。大聖寺平からの急坂を喘ぎながら登りきり、少し雲がでてきたが、雷鳥の親子に出迎えられ赤石岳の頂上に立った! 遠望はきかないが、踏破した荒川三山を眺めて、みな達成感に浸った。赤石小屋手前の富士見平から雨となったが、樹林帯でカッパを着けるほどもなかった。
   最終日、小屋から紅く朝日に輝く赤石岳・聖岳に見送られながら、予定通り帰京できた。幸運にも好天に恵まれ、思い出深い山行となった。

・日程=7月29日(金)〜8月1日(月)
・参加者=8名
・リーダー=北川嘉康
・コース
 1日目(晴)畑薙第一ダム(13:00)→椹島ロッジ(14:00)泊
    *東海フォレストのリムジンバス、しずてつ路線バスの荷物代=10kgオーバーの荷物のみ1280円/個、高い! 未満は無料)
 2日目(曇りのち晴れ)ロッジ(5:00)〜小石下(6:50)〜清水平(8:30)〜駒鳥池(11:45)〜千枚小屋(12:55)泊
 3日目(晴れのち曇り一時雨) 小屋(4:00)〜千枚岳(4:50〜5:10)〜悪沢岳(6:50)〜中岳〜前岳〜荒川小屋(10:10)〜
     大聖寺平(11:00)〜小赤石岳(12:45)〜赤石コル(赤石岳往復)〜清水平(15:30)〜赤石小屋(16:00)泊
 4日目(晴れ)小屋(5:00)〜椹島ロッジ(8:10〜11:00)
space
space
space
space
 坂本記者の特派員報告!
space
3931_15
space
space
3931_113931_12
space
space
3931_133931_14
space
space
 南アルプスは、16年前の「白峰三山縦走」以来のこと。思えば、あれが山にハマッたきっかけとなったんだぁ〜!「山登り中毒患者」になった原点というのか。所謂、洗礼を受けてしまったのねぇ。山が大きい、懐が深い、と言われる南アルプスは、相当の気合と覚悟で入山しないと途中で弾き帰される。
 初日は移動だけ。新幹線・静岡駅からバスに乗り継いで6時間あまり、まだかまだかと揺られながらジワジワとモチベーションが高まっていくのでした。
 2日目、いよいよ登行開始、快晴。シラビソやスギの樹林帯のなか、黙々と登る。からだが山に慣れていないことや荷物が重いこと。そして、暑いのなんのって、もう汗が噴出してフラフラする。「……とにかく千枚小屋までの我慢、我慢……」と言い聞かしてたわ。約6時間後に、たどり着いた千枚小屋は別世界。目の前に富士山がドヵ〜ン。刻一刻と移り変わる雲の流れと光の強弱によって富士の表情が変わっていく。私たちはベンチに座ってビールを飲みながら、自然が織りなす雄大にして繊細なショウを楽しみました。これだから、山は止められない! 小屋の周りは今が盛りのお花畑。ミヤマオダマキ・クルマユリ・トリカブト・「あァ〜来て良かった、うれしいぃ〜」と、感動の「富士見小屋」いえ「千枚小屋」でした。
 3日目、ヘッドランプを付けて出発。南アルプス南部の3,000メートル峰6座を踏破する大縦走。結果的に、小屋発4:00〜小屋着4:00だったので、な、何と12時間の行程。私の今までの山経験の中でも、一日の最長歩行記録となりました。更新したくないわ(笑)。それにしても、熱い夏の光を浴びながら稜線から稜線へと、お花畑に導かれ、大展望をほしいままに眺め、時にライチョウのお出迎えを受けつつ、3,000メートルのピークを踏んでいくのは、爽快、痛快の極みです。自分の足の一歩一歩が、遥かに見えていた山並みを越え、さらにどこまでも前へ進んでいけるという満たされた気持ち。よく歩いたわ。まさに歩いたからこそ味わえる縦走の醍醐味が、五感にココロに染み渡りました。
 最終日、椹島ロッジに戻ってきた私たちは満足度150%のなかで、木陰のベンチに座して打ち上げパーチィをしました。詳細は会報『青嶺』のNo.494で。
space

space
space
「最近の活動」ページへ戻る
space
space
space
contents
space
to_top
space