中央アルプス「南駒ヶ岳」

10月８日、小雨のなか、カッパを着て越百小屋をめざす。木曽の大木、檜やトウヒやコメツガなどの下をモクモクと歩く。しばらくすると、ダケカンバやナナカマドの紅葉が素晴らしい。小屋の主に「ぜんざい」のもてなしを受け感激する。感謝。夕食もおでん、てんぷらなど申し分なし。 　９日、小屋を７時20分発。ラストの出発だった。樹林は変わらないが、高度を増して越百山へ向かう。紅葉が綺麗だった。しかし、稜線へ出ると風はきつい（この日、御嶽山は無風快晴だったと後で聞いた）。尾根上を流れる雲は、飛雲がジェットのようだった。南駒ヶ岳が見えたり隠れたり、シャッタ−チャンスを意地悪される。南駒ヶ岳に着いた時は、空木越えのラストタイムだった。 　気合を入れて45分降りたが、ル−トを外した（引き返しても厳しい……）。岩場の厳しい所を、一気に降りてきた。リーダーは戻る危険を察知して、計画の変更を決定する。安全第一という、賢明なる判断かと察知する。だが、ここは素晴らしい尾根道だった。最高に素晴らしい紅葉や樹林の中を、今朝沢登山口へと急いだ。５時過ぎ到着。暗くなると、ヘッドランプを使い伊那川ダムへ。木曽殿山荘へ連絡を入れ、飯場の小屋を借りて、ツェルトで防寒して、楽しく一夜を過ごす。 　10日は木曽路の温泉にて疲れを癒し、余裕を持って帰洛した。ハプニングがあっても、安心できる、楽しい山行っだ。（児島　記） ・日程＝10月８日（土）〜10月10日（月） ・参加者＝４名 ・リーダー＝宮本紀美代 ・コース＝須原―伊奈川ダム〜越百小屋（泊）〜越百山〜南駒ケ岳〜今朝沢林道（泊）〜須原〜南木曽 　坂本記者の特派員報告！ 　やっぱり、◯◯チャンって「嵐を呼ぶ女」よ!!! 　朝6：15の「のぞみ100号」〜7：05の「しなの号」〜タクシーを乗り継いで越百山の登山口に到着した途端、雨……花も嵐も覚悟の上で参加してるけど、ちょっと露骨すぎません？！ 　「あぁ〜、み◯◯〜チャンは、きょう〜も雨だ〜たぁ〜♪♪……」「♪♪あめ、雨、ふれ、降れ、も〜っと降れわたしのいい人……」カラオケ教室に早や代わりのような山登りって、初めてよ。針葉樹林帯の登り一方の登山って、晴れていてもなかなかつらいものがあるのに、雨脚は激しくなるばかり。いっそのこと、今日は嵐でいいから、その代わり明日は晴れてねッ！と歌いまくる私でした。 　すっかり濡れネズミになって２時半ごろ小屋に着きました。皆さん、越百小屋は素晴らしいですよ。３時に「暖まってください」とおぜんざいが頂けました。着替えて「ホッ！」としたところだったので有り難かったです。夕飯のメニューも、おでんに手作りの天婦羅と、ボリュームがあって美味しくって、ウ〜ンお腹いっぱい。屋根裏の部屋はよくあるパターンですが、ここは地下にも部屋がありました。８時消灯。激しい雨音が聞こえていました。 　幸いなことに雨は上がり、曇り空ながら快晴に向かいそうな気配です。さぁ、出発！ナナカマドが真っ赤に色づき、ダケカンバがきれいに黄葉し、薄日が射すとスポットライトを当てたように錦秋の秋が浮かび上がります。風が舞い上がり雲が激しく流れていきます。濃くなったり薄くなったり山をかすめていく霧が、紅葉前線真っ只中の稜線上を一段と生き生きと見させます。そのままの自然の錦秋の日本の山が、私は一番好きです。強く心惹かれます。広い大きな空の向こうに御岳山や八ヶ岳が美しく眺められました。 　念願の越百山〜南駒ケ岳と縦走し、北沢尾根から今朝沢林道へ下ることにしました。巨岩が折り重なる険しい下山路ですが、振り返っても絶景、行く道も絶景に満ち足りた愉しさがありました。すっかりあたりは暗くなり、ヘッドランプをつけて林道を歩きました。伊奈川ダムに向かう手前の駐車場の所に工事の作業人用に使ってたプレハブ小屋を見つけ、強引に「今宵の仮宿」としました（笑）。ちょうど（？）４人用のスペースで、あり合わせの持ち寄りの夕食です。焚き火をしていた福井の登山者には、ダムまで車に乗せてもらって、明日のタクシーの予約もできました。人の親切が身に沁みます。　 　そういえば、須原の駅では駅員さんから蒸したサツマイモを頂いたわ。南木曽の湯元館なら９時から入浴できるということで、私たちはまさしく「朝酒、朝湯」の中乗りさん状態。木曽ヒノキの風情あるお風呂はヌンメリしたお湯が素晴らしく湯加減も絶妙で、やっぱり日本の山は温泉とセットで「エエわ！」とこなくちゃ〜と悦に入りました。「嵐を呼ぶ女」との山行は、いつも雨だけど、面白い。

「最近の活動」ページへ戻る