南アルプス「光岳・聖岳」
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上=聖岳
左中=光小屋  右中=茶臼岳
左下=易老岳の稜線  右下=聖岳より富士山を望む
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 南アルプス最南部域の3000m峰=聖岳から、赤石山脈の主峰=赤石岳を眺めるのを念願にしていた。
 今年その機会に恵まれて、ハイマツの南限と言われている光岳〜聖岳への縦走を、ハードな日程だがチャレンジすることになった。ただ、出発間際までヤキモキしたのが、7月中旬に猛烈な大型雨台風の襲来で、各地に多大の被害をもたらした。南アルプス方面も例外でなく、入山予定地(易老渡)も土砂崩れで復旧が危ぶまれた。早目に復旧したけれど、大井川畑薙第一ダム方面は被害が大きく、復旧の目途がつかないので、エスケープルートとして使用できない厳しい山行となる。精鋭が7人揃った。
7/28(土) 晴れ
 本来ならば、登山口のある便ヶ島聖光小屋泊を予定していたが、管理人の体調不良で今年度の営業を休むとのことで駅前泊となった。
 豊橋駅で、飯田線に乗り込んだ登山グループは南に入山できず、中央アルプスへ変更と言っていた。
 京都(11:00)→飯田線駅前竜泉閣(14:45)

 7/29(日) 曇のち晴、夜雷雨
 早朝に予約していたジャンボタクシーを利用して、登山口易老渡に向かう(1時間10分、¥23,000/台)。易老渡駐車場は満車で賑わう。
 まだ夜明け前 易老岳に向け急登が始まる。面平を過ぎ2254.1mの三角点を過ぎると、緩やかになってほどなく稜線上にある易老岳へ着く。山頂は広いが、樹林帯の中。三角点と標識がある。3〜4人のザックがデボしてあって、茶臼岳か光岳に行っているようだ。光小屋、茶臼小屋からの下山者が通過していく。
 稜線を150m下るとガレ場にでる。草地で西側が大きくガレて展望が良い。携帯が使える場所とある。
 樹林帯を抜けると、涸沢ルートを詰めあげたところが静高平だ。水量は僅かだが冷たい湧き水である。水の補給して、ハイマツ帯を抜ければセンジガ原の木道に出て、僅かで光小屋へ着く。小奇麗な小屋でバイヨウ式のトイレがある。
 空身で光岳へ。山頂は樹林の中で、三角点と標柱がある。30m先に狭い岩場の展望台があって、稜線に白っぽい岩肌が突き出ているのが見える。山名の由来である光(てかり)岩という。 大無間山の山塊も望見できた。
 自炊組は17:30から食堂を開放してくれる。強い雨が降り出した。雷もだ。宿泊者は少なくゆったりだ。
 コースタイム:宿(3:30)→易老渡(4:40〜5:00)〜面平(6:52〜7:10)〜易老岳(10:44〜11:35)〜光小屋〜光岳往復30分

 7/30(月) 曇のち雷雨のち晴れ
 早朝出発。雨はやんでいる。易老岳まで戻る。山頂で雨が降り出し、低地で雷が鳴り出している。朝7時、お出ましが早すぎる。 樹林帯を1時間進んだ地点で本格的な雨となり雷が頭上で暴れだした。木陰と岩の近くで約30分ほどやり過ごす。仁田岳分岐から茶臼岳方面はハイマツ帯で、ここでも雷が遠のくを待った。
 茶臼岳山頂では雨も上がり、次に向かう上河内岳とその奥に待望の聖岳が見えはじめる。上河内岳の登りはタフで、奇岩を越えて分岐に着く。先発者4人グループに会い、小屋着が少し遅れることを託す。 空身で山頂に登る。
 360度の展望が開け、雨上がりのスバラシイ景色が待っていた。目の前にデーンと聖岳が控え、重なるように赤石岳・荒川前岳が見える。東側は、雲海が慌ただしく気流に寄せていく。南はたどってきた山峰の景色に感謝だ!
 次のピーク(南岳)の手前で、群生したお花畑に癒され小屋まで一気に駆け下る。熊がうろうろしているのか、ダケカンバが相当クマハギの被害にあっていた。小屋の手前は木道で、聖岳への登山口を確認する。
 ここも立派な小屋で、前庭がヘリの離発着場なのだろう。水も豊富。トイレはバイヨウ方式で80m離れている。食堂にテレビがあって、明日は快晴と出る。だけど、灯後すさまじい雷雨で、近くに落雷して小屋が揺れた。
 小屋の主は聖岳と茶臼岳によく落雷するのだという。あな恐ろしいや! 南部は梅雨明けのようだ。
 コースタイム:光小屋(3:55)〜ガレ場(5:50〜6:25)〜易老岳(7:00)〜仁田岳分岐〜茶臼岳(10:38)〜小屋分岐(11:10〜11:40)〜上河内岳(頂上往復)分岐(13:21)〜南岳(14:53)〜聖平小屋(15:55)

 7/31(火) 快晴
 聖岳に向け、早朝出発。薊畑分岐まで一登りしてザックをデボし、サブザックで聖岳を往復する。熊の足跡を見て笛を鳴らし、大声を出して小聖岳に着く。快晴のなか、ザレ場の登りの先に聖岳(前聖)山頂が青空に突き上げている。岩場となった山頂からの快晴の展望は、声を飲むほどスバラシイ! 念願が最良で叶った。
 赤石岳が真ん前に、北部の高峰群を山座同定しあう。東に振ると、富士が山頂をすっきり見せ、南は大きな上河内岳から光岳。さらに深南部方面まで遠望でき、西の彼方に中央アルプスの峰々の奥に御岳が頭を出している。いつまでも居られない、後ろ髪を引かれる思いで下山。小屋の主がカメラ片手に登ってきた。
 畑に戻り、ザックを回収して西沢渡へ樹林帯を下山する。尾根の中ほどに「携帯可」とあるが、皆さんは圏外。
 数グループの登山者を見送り、最後の単独行者から衝撃的な情報がもたされた。便ヶ島まで土砂崩れが5箇所発生して通行不可という。彼は昨夜車で来たらしい。激しい雷雨でやられたのだろう。
 取り敢えず便ヶ島の聖光小屋まで行くしかない。西沢渡では徒渉できず、皆さん初体験の野猿渡のカゴに乗り、操作して渡って遊歩道を便ヶ島へ着く。聖光小屋主の無線でタクシー会社に連絡がつき、林道を2時間半歩いて、崩れの先で迎えのタクシーが来る。この場所は広く、東屋・トイレ・駐車場が揃い、新しい小屋がある。
 車山行の下山者達は、あきらめ顔で復旧待ちだ。まだ下山者が増えるはず、頑張ってもらいたい!
 土砂崩れを乗り越え、復旧中のブルドーザーを過ごし乗車できた。帰宅は2時間程度の遅れですんだ。
 タフなコースにアクシデントが加わり、みなよく歩いたことに誇りを感じます。
 コースタイム:聖平小屋(3:40)〜薊畑分岐(4:10〜4:25)〜小聖岳(5:22)〜聖岳(6:34〜6:50)〜薊畑分岐(8:20〜8:42)〜西沢渡(12:15〜12:45)〜聖光小屋(13:40)〜タクシー乗車(16:00)→京都(22:20)

 注意点:今回のコース中に携帯可箇所あるが、ドコモムーバータイプでないと繋がらないようだ。
     聖平小屋の食事申し込みは、15:30までの到着者が対象(北川 記)

・日 程=7月28日〜7月31日
・参加者=7名
・リーダー=北川嘉康/サブリーダー=垂沢祥夫
・メンバー=今村克美・中西伸二・吉田みゆき・松本和子・玉井ハル子
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