北山「魚谷山」
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左=珍しいヤマシャクヤク  右=クリンソウの咲く登山道
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雨の魚谷山山頂
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 50周年記念山行は、なぜか天気の悪い日が多いように思われる。3月は降雪、4月は爆弾低気圧、そして4月も雨の予報だ。しかしながら本日は雨天決行で、ヒルの巣窟といわれる京都北山の魚谷山とのことでしっかりと装備を整えて臨む。
 今回の魚谷(いおだに)山は北山の入門コースの一つであり、「京都北山からヒマラヤへ」の合言葉が示すように、日本の山岳界をリードする人材を育んできた山でもある。出町柳に集合して三台の車に分乗して雲ヶ畑をめざす。
 雲ヶ畑川沿いには、フジが今を盛りに紫色の花を競って咲いており、見とれて運転に集中できないくらいだ。中津川沿いの林道に入るといっそう道が細くなる。奥深くなるにしたがって雨足が激しくなってくる。覚悟はしていたものの、予報では弱雨で午後から上がるとのことだったので、わずかの期待を持って登ることにする。
 直谷(すぐたに)・松尾谷分岐に駐車して、右手の直谷を歩き始める。しばらく進むと柳谷峠への山道が左に現れるが、できるだけヒルを回避するために広い林道を歩くことにする。長い林道歩きが続くが早々にヒルの出迎えを受ける。持ち寄りの殺虫剤を試すが効果が薄く(一時的に弱るが)、最終的にはやはり塩が一番だと思う。
 無残に壊れた麗杉荘跡を過ぎると間もなく林道終点となり、いよいよ沢沿いの山道へと入る。足元ばかりを見ながら景色も目に入らない。そのうち沢沿いにクリンソウが我々を慰めてくれる。まだ三輪ぐらいで、九輪になるまでは1週間から10日くらいは必要であろう。
 やがて、沢の対岸に白くて丸い花の群落地が見えてくる。近づいて見ると、ヤマシャクヤクが一面に広がっている。雨のせいで花は開いていないが、天気がよく開花していたら素晴らしい景色であろうと思われる。沢を挟んで真向かいにはレリーフが存在感を現わしている。
 この北山からヒマラヤをめざした故・今西錦司氏の記念碑だ。人類学者で登山家の同氏を偲び、1994年6月に建立されたとのこと。次第に傾斜が増す沢沿いの道を進むと、北山荘に着く。
 雨を含んだ登山道は滑りやすくて登りにくいが、まもなく柳谷峠に到着する。急坂を登りきって息が苦しいものの、山頂はもうすぐなので休憩なしでピークをめざす。山頂直下にはまだミツバツツジが残っており、その下には花弁のじゅうたんがきれいに敷かれている。雨ではあるが今日はたくさんの花に出合うことができた。
 ピークは狭く、展望もないので少し下った魚谷峠で昼食タイムとする。広い場所で、ヒルを避けて道の中央で食事をするが、途中で拾ってきたのか付いている人もいたようだ。ここからは広い林道で、半分以上は舗装されているので安心して周囲の景色や新緑を味わいながら下山する。
 天気予報に反して一日中雨の中を歩いたように思うが、数々の花に癒され結果的には満足のいく充実した山行であった。ちなみに、ヒルの被害者は二名出た。(今村 記)

・日 程=5月11日
・コース=直谷・松尾谷分岐(9:20)〜林道終点(10:05)〜柳谷峠(11:15)〜魚谷山(11:25〜11:30)〜
     魚谷峠(11:45〜12:20)〜駐車場(13:30)
・リーダー=岡本 登/サブリーダー=今村 克美
・参加者=15名
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