予報に反して寒気の南下で雨交じりの天気となった。麓は晴れていても山中はガスが漂い、しっとりと雨が落ちてくる。しかしながらこの雨が、湖北随一と言われるブナ林を一変させた。林立するブナが白いガスの中に浮き上がり、ゴチャゴチャした枝葉を隠し、まるで墨絵の世界だ。ブナの樹皮もしっとりと濡れて黒と白の模様が目に響く。東峰から本峰への尾根はあいにくガスで見通しはなかったが、雨粒を宿したアカモノが印象的であった。山頂での食後、三高尾根の急坂を下る。途中から日差しが差し込み晴れわたって来た。ブナの枝先からひらひらと小さい蝶が舞い落ちてきた。明るいブルーに輝く蝶は、フジミドリシジミだ。シロヒトリの蛾が一斉に樹幹を舞いだした。紙吹雪のようだ。振り返ると尾根筋の景色が見えている。鳥越峠からも激下りは続く。いい加減足が疲れてくる頃、ようやく林道に躍り出た。
(服部 記)
・ 日 程=2022年6月8日(水)曇り時々雨、のち晴れ
・ リーダー=服部 忠 サブリーダー=三木 洋
・ 参加者=9名
・コース =JR山科駅前、出町柳(6:40)=杉野白谷登山口駐車場(8:40)
~夜這いの水(9:20)~東尾根登山口(9:30)~尾根三叉路(10:40)
~東峰(11:20)~(11:50)山頂△1131.7m(12:20)
~ブナ巨木(12:30)~鳥越峠(13:40)~白谷登山口(14:30)
=JR山科駅前、出町柳(17:10)
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