梅雨明けの暑さから一変して、台風シーズンの到来を思わせるような4号の上陸である。温帯低気圧に変わったそれは、当日明け方に足早に過ぎ去り、思いのほかの天気をもたらしてくれた。琵琶湖上空は青空が広がり、鈴鹿の山々、湖東の山地も雲がどんどん取れかかっていた。登山口から歩き出した頃には、太陽を浴びて湿気が立ち上り、ムッとする暑さに閉口したが、残り風が頬をなぜて気持ち良い。しかし、尾根の取り付きからの登りは堪えた。我慢の登高だ。もう限界だと思う頃に六地蔵がほほ笑んだ。つい苦しさに弱音が漏れるころ、鶏足寺の跡の平地に来た。一面にクリンソウの群落が広がっている。有毒成分を持つためシカの食害を受けていない。山頂直下の急登が始まる地点にブナの巨木が立っている。幹回り3.38mの代物だ。もともとは二本であったが、地上4mまでは融合して単幹になっている。おそらくこの山塊でトップクラスではないだろうか。100m足らずの急登を登りきると、3等三角点のある山頂だ。見晴らしは全くなく、ブナ林に囲まれたわずかな空間だ。下りは南の尾根のブナを見ながら778mのコブまで下り、西尾根に方向を変える。風で落ちたナツツバキの花が足元に散乱している。脇道の分岐にはロープで侵入しないように施されている。林道に到達するとすぐに鶏足寺(旧飯福寺)に折れ、ハンノキ林、茶園を越し、駐車地に着く。
(服部 記)
・ 日 程=2022年7月6日(水)曇りのち晴れ
・ リーダー=服部 忠 サブリーダー=三木 洋
・ 参加者=10名
・コース =JR山科駅前(7:00)=己高閤登山口(8:35)
~(9:00)尾根取り付き~(10:00)六地蔵
~(10:30)馬止め、牛止め
~(11:00)旧鶏足寺跡(11:15)~(11:20)ブナ巨木
~(11:45)山頂△922.6m(12:15)~(13:00)778m
~(13:15)鉄塔~(13:40)石道寺分岐
~(14:30)林道出会い~(14:40)鶏足寺
~(15:00)己高登山口=JR山科、国際会館
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