京都府下一等三角点巡りである。標高は660.9mと低く、府下北部の多祢寺山、烏ヶ岳はともに500m代であり、低い山並みである。登山口は大路集落から更に南に入った大成より東に詰めた所に車を置けるが、そこからの山頂往復は3時間ほどで事足りる。そこはあまりにも物足りないので、乙女神社から西北に伸びる尾根筋の林道を利用してのぼった。日本海側の影響を強く受けるこの地は、植物相もどうか興味津々である。雨の残る寒い天気となったが、歩き出すとすぐに止んだ。舗装された林道の左側は自然林が多く、右側は植林地帯である。時折見慣れない木が目につく。冬芽の形態からクスノキ科と分かる。カナクギノキである。北山ではあんまり見かけない。足下に白く輝く石は石英の破片だ。雨に流され道路にかなり散らばっている。枝から下がった実はサルナシだ。まだ硬く甘みが少ない。大成からの林道に合流して奥に300m進むと林道が終わり山道に入る。すぐによく整備された階段になる。1010段という。1段から数えて歩く。途中2ヵ所、東の方に展望があり休憩をとる。ちょうど1010段目、山頂の展望台横に出た。一等三角点と、天女をあしらった石のモニュメントが設置されている。四周よく見渡せ、日本海や天橋立の松並木も見えている。大江山連山、丹後半島の依遅ヶ尾山、太鼓山、高山。但馬方面は何が何だか重層的な山並みばかりで特定できない。昼食をとっていると、キアゲハがまとわりつくように飛び回る。山頂によく飛んでくる。2000mを越す高山でさえ見かける蝶だ。階段状の道は降りるのも早い。途中スギ林の中の乙女池に立ち寄り、登山口から大成を経て乙女神社に向かった。ヤマナシの木、ケンポナシと自然では初めて見る木にも出会えた。北山では700mぐらいにならないと出会えないミズナラも300m程の登山口から見られるなど、環境の違いが際立った観察となった。
(服部 記)
・ 日 程=2022年9月28日(水)曇り
・ リーダー=服部 忠
・ 参加者=9名
・コース =JR二条駅西口(7:30)=乙女神社駐車場(9:55)~林道分岐(10:10)
~473m横(11:20)~トイレ休憩所(11:40)~林道奥(11:50)
~(1010段階段)~(12:30)△660.9m山頂(13:15)
~大成集落(14:15)~乙女神社(15:10)=JR二条駅前、京都駅前(17:40)
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