絶好の春日和となった。光明寺の駐車場から歩を進める。階段状の急登を上がると、朱色の山門が見えてくる。重文指定の二王門である。重文のなかでも国宝扱いになっている。それを祝うかのように周りにはヤブツバキの花が咲き誇っていた。桜も最近の好天続きで一気に咲き誇ってきた。本堂の軒下の彫り物や懸魚を鑑賞して、寺の裏から杉やモミの巨木をぬってピークに登る。林道に出る手前で、クマシデの巨樹が迎えてくれた。道標に従って、幻の大トチへ向かう。尾根筋の広い道を進むと、ブナの木が新葉を開き、花をつけていた。やや谷筋を下ると、カツラの巨樹に隠れていたトチが姿を見せた。根元から内部を大きくえぐられているが、かなりどっしりとした大トチである。まだ葉っぱも開かず裸のままの姿であるが、なかなかの存在感がある。足下のエンレイソウも迎えてくれた。来た道を戻り、林道から奥に進むと、すぐに543mの君尾山のコブに着く。スギ林に埋もれた小さなピークだ。三角点はそれからさらに奥に進んだ杉林の中にある。展望も全くないが、木漏れ日に体を預けて昼食にした。
午後は、車でさらに府境の老富集落に向かい、ミツマタの花の観察である。花が合うかどうか心配したが、3日前に満開の報を聞いて安堵した。集落の奥のスギ林の斜面いっぱい、黄色い花をつけたミツマタが広がっている。初めて見た人には衝撃の光景である。この斜面ももう一月もすれば、シャガにとって代わる。二王門か本殿の飾りか、大トチか、ミツマタか。人それぞれに心に響く山旅であった。
(服部 記)
・ 日 程=2023年3月29日(日)晴れ
・ リーダー=服部 サブリーダー:新井
・ 参加者=18名
・コース =JR二条駅西口(7:30)=(9:30)光明寺駐車場~(10:15)光明寺本堂
~(10:30)クマシデ巨木~(10:50)大トチ~(11:30)君尾山543m
~(11:45)君尾山△・581.8m二等「睦寄」(12:20)
~(13:15)光明寺駐車場=(13:45)老富のミツマタ(14:10)
=JR二条駅前(16:50)
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