十勝連峰「三段山・十勝岳」
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白銀荘から見た十勝岳
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左=稜線間近、ガスの中に先行者が見えた  右=安政火口
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左=三段山山頂  右=林の中の白銀荘
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左=富良野岳  右=十勝岳の裾野を行く
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左=十勝岳と雲ノ平  右=昨日滑った三段山の全容
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 北海道へ山スキーに行けるとは、夢にも思っていなかった。
 竹内さんから積丹岳を誘っていただいた時は、北海道にはどんな山スキールートがあるのかも知らなかった。
 調べてみると、遠いと思っていた北海道はフェリーを利用すると簡単に行けることがわかった。よい計画ができ上がり、荒川さんを誘ってトントンと話がまとまった。上手くいくときはこんなものなのだろう。

4月14日
 新日本海フェリーで、舞鶴から小樽まで20時間の船旅も、のんびりと優雅で退屈することはなかった。
 「小樽の温度は7度で曇り」とアナウンスされていたが、最初の一歩を踏んだ時は霙だった。京都との温度差は大きかった。札幌が近づくにつれて雪になり、先が思いやられたものの内陸は全然降っていなかった。数匹の狸と鹿の出迎えを受け、快適なドライブだった。ところが、富良野が近づくとまた雪が降り始め、吹上線に入ったときは完全に真冬へ戻っていた。道路も真っ白で、白銀荘に着くまでがとても長く感じた。吹雪の中、テントを張る気になれず、狭い車中で眠ることにした。

4月15日 三段山
 除雪車の音で目が覚めた。車を出ると、噴煙を上げる十勝岳の美しい姿が目に飛び込んできた。快晴だった。はやる気持ちを抑えて、白銀荘で朝食と着替えをさせてもらい、山荘を出た時は既にガスが湧き出していた。予定は十勝岳だったが、三段山のトレースに入り込んでしまっていた。引き返そうと思ったが、後続の方が「こんな天気だから、今日は三段山にしといたら」と言われるので、素直にそうすることにした。もくもくとトレースを追った。全く様子が分からず不安になりかけた時、ガスが薄れて三段山の山頂が見えてホッとした。楽しみにしていた山頂からの眺望は得られず、安政火口がぼんやりと望めた。山頂直下の雪面と雪質は最悪で、新雪は吹き飛ばされ憧れの滑降にはほど遠いものだった。少し下ると滑りやすくなり、白銀荘まで新雪を楽しめた。
 白銀荘は自炊専用の宿泊施設で、調理の設備が全て揃っていた。職員の方々は気さくでよく働かれて、館内は綺麗に整って気持ちよかった。なんと言っても温泉は最高だった。

4月16日 十勝岳
 快晴。この天気は一日続くだろうと思わせるような青空の中、十勝岳が輝いていた。意気揚々と山荘を出発。雄大な十勝連山を眺めながら広大な裾野の雲ノ平を歩いて、北海道に来たんだという実感に浸っていた。とても美しかった。ところが、避難小屋に着いた頃からガスが湧き始めてきた。新々噴火口を左に見て、夏道の標識を確認しながら進む。気がつけば完全にホワイトアウトになっていた。斜度が急になってきたので、スキーをデポして、安全のためにアイゼン・ピッケルで山頂をめざした。不安を感じた時、一瞬のガスの切れ間に位置を確認できて、シュカブラのある山頂に到着した。
 記念撮影後、早々に下山。登りのトレースを外してしまい、スキーのデポ地がわからずヒヤッとしたが、無事に見つけられた。そこからが大変だった。広い尾根を、標識を確認しながらソロソロと滑る。方角はわかっても下りの斜面が出てくると不安になる。なんでもない斜面が急に見え、間違えた場合を考えると足がすくむ。フラフラして平衡感覚がなく、船酔いのように気分が悪くなってくる。雪もチラついてきた。もう頼れるのはGPSしかなかった。GPSは、児玉さんが「購入の参考に使ってみたら」と貸してくださったもので、扱い方が今ひとつ理解できていなかった。往路を外さないように、ゆっくりゆっくりと滑る。とても長く感じたが、GPSで確実に戻っていることがわかったので心強かった。ガスが薄くなり避難小屋が確認できた時は嬉しかった。やっと思い切り滑ろうと思ったら、ブレーカブルクラスになっていた。白銀荘に、くたくたでたどり着いた。
 雪の舞う露天風呂で一日を振り返り、無事でよかったとつくづく思った。(田代 記)

・日 程=4月14日〜16日
・コ−ス=4月15日 白銀荘(8:00)〜三段山(11:00〜12:00)〜白銀荘(13:00)
     4月16日 白銀荘〜避難小屋(8:15)〜十勝岳(12:50〜13:00)〜避難小屋(15:30〜16:00)〜白銀荘(16:30)
・参加者=田代妙子・荒川聖一
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