白山「御前峰(「白山東面台地」山スキー)」
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 今シ-ズンの山スキーは、雪不足と悪天候で中止が多く、不完全燃焼の日々を送っていた。
 そこで、かねてより憧れていた岐阜県の平瀬よりマウンテンバイクを駆使して、白山東面台地へ行くことにした。平瀬より標高差2100m、往復距離40km。ハ−ドなビッグ山行である。
 17日、19時に平瀬に到着。源泉かけ流しの大白川温泉「しらみずの湯」につかる。外は雨である。
 18日、4時半に目覚ましで起床。雨は上がり、曇っていた。5時40分、スキーをマウンテンバイクにくくりつけ、平瀬ゲ−トを出発。白水湖の東面台地取付きまで高度差600m、林道を13kmの自転車漕ぎである。林道は舗装してあるが、山側の急斜面から、いつ落石があるかわからず緊張する。道はずっと登り坂。1時間ほど進むがまったく雪がない。間名古谷にさしかかる頃、ようやく前方に真っ白な山が見え始める。橋を渡ると傾斜が徐々に増してくる。単調なMTBに嫌気がさしてきた頃、カ−ブを大きく西に回り込むと、突然白山が眼前に飛び込んできた。素晴らしい。山頂は遥か先であるが気力がメキメキ湧いてきた。この時、天気は高曇りで安定しているので、ピ−クはまず踏めると確信した。
 8時10分、ようやく白水湖に到着。ここでMTBをデポして、いよいよ高度差1500mの山スキーの始まりである。取付きは、小白水谷の橋を渡った所。山スキーメーリングリストで得ていた情報により、ピンポイントで取り付く。浮石の多い山肌がむき出しの脆い崖である。靴の跡がある、間違いない。30mほど登ると台地末端の尾根に乗る。ここでも雪は無い。藪漕ぎを10分程した頃、ようやく雪で埋まった巨大なブナの原生林が現れた。凄い、原始の匂いがする。8時40分、シ−ルを貼り付け出発。今日は誰にも出会わないだろう。
 台地は広くコ−ス取りが難しいが、スキーの跡が残っていた。1500m位まで緩い傾斜で、気持ちのいいブナ林が続く。そこから左に大きく曲がりU字谷をつめる。雪も非常に多くなってきた。帰りに迷わぬよう、何度も振り返りながら下方の景色を目に焼き付ける。そこから傾斜はきつくなり、ブナに代わってダケカンバの超快適斜面が延々と続く。どこを登っても、どこを滑ってもよい。ナダレの心配は全くない。薄日も射してきた。こんな変化に富んだ、うねりのある斜面は初めて。最高。しかし御前峰はまだ見えない。急な斜面を登り上げて1850mの台地に着いたとき、御前峰と剣ヶ峰が姿を現した。何とも凄い光景だ。焼山北面台地に勝るとも劣らない。何度も大声で叫んだ。こんなところを独り占めできるなんて実に幸せである。そこから左へ回りこみ、転法輪谷の深いU字谷を辿る。ここからがエラかった。稜線が見えているのになかなか近づかない。傾斜がきつくなり、アイスバ−ンの上に薄く新雪が積もり非常に辛くなる。御前峰の左のコルに着いたとき、携帯のメ−ルが鳴った。田代さんからである。いま、北海道の積丹岳の山頂とのこと。ほんまかいな。こちらも、奮闘中の返信を送る。13時40分、コルから30分でシ−ルのまま御前峰のピ−クに到着。
 高曇りながら、360度の大展望。感動、感動である。登頂の余韻に浸っていると、天候が悪化し始めてきた。ガスられて、ホワイトアウトになれば命取りである。視界のあるうちに下山しよう。スキーを付ければ、こちらのもの。14時、いよいよ高度差1500mのダウンヒル。頂上直下はアイスバ−ンだったが、しばらくすると快適な大斜面。山スキーをするためにできたような素晴らしい所だ。雪質も申し分ない。東面台地に雄叫びを響かせ、15時15分に無事取付地点に到着。
 次は、第二の楽しみ。平瀬までのMTBのダウンヒル。漕ぐ場面はほとどなく、16時15分に平瀬へ到着した。一生の思い出となった、白山東面台地であった。(大塚 記)

・日 程=4月18日
・コ−ス=平瀬ゲート(5:40)→白水湖取付地点(8:10)〜御前峰(13:40〜14:00)〜取付地点(15:15〜15:40)
     →平瀬ゲート(16:15)
・参加者=大塚勇三
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